「ハロプロ楽曲大賞2012」分析 #2―推しメン部門 Part2

当分析記事はしばらくの間、週に1回のペースでアップしていく予定です。

Part1では2012年度の結果から分析を行ってきたが、Part2以降では過去の結果からの推移をみていこうと思う。
現在の「モベキマス」体制がほぼ確立された2009年以降の推移から傾向を探ってみよう。

今後のデータにおいて、各グループの所属メンバーについては(実際の投票時期と若干異なるが)便宜上各年度の12/31現在の所属メンバーと定義する。具体的には以下の表9の通りに定義する。なお2010年のモーニング娘。については場合により亀井、ジュンジュン、リンリンを含めたデータを用いる場合がある。


(2-1) 個人別得票推移1(増加率)
まず、2009年時点またはそれ以降のハロプロ各正規メンバーの年度別票数推移を表10で確認する。なお、小田さくらについては2012年正規メンバー昇格のため表から除外した。

現役メンバー以外に投じられた票を含む全体の票数は2011年が888票、2012年は1,769票であり、2012年は前年度に比べ参加者が2倍に増えている

現役ハロプロ正規メンバーについて、2011年と2012年を比較して票数がどのくらい伸びたのか、その倍率を見てみよう
もし勢力を維持しているのであれば、2.0倍に近い倍率が出るはずである。これが2.0倍を大幅に上回ればそのメンバーを1推しとするヲタが確実に増加していると考えられ、逆に1.5倍を下回るくらいの倍率であればそのメンバーを1推しとするヲタが減少していると考えられる。

集計結果上位、下位それぞれ5人は表11の通り。
上位TOP5に10期メンバーが全員入っているのが非常によく目立つ。その中でも石田がダントツTOPの増加率を獲得するに至った。独自のスベリキャラを確立し、ヲタに浸透してことが大きいようだ。

ちなみに2011年加入組を除いた増加率トップは徳永千奈美で増加率はちょうど4倍であった。個人でのメディア露出が増加したことが要因かと思われる。

全体では増加率3倍超が11人、1.5倍未満が4人という結果となり、単純増加分以上に全体的にハロプロ現役メンバーへの関心が高まっている結果といえそうだ。その分、OGやハロプロ外メンバーが支持を広げるのに苦戦しているとも考えられる。

全メンバーの増加率は以下表12の通り。当然ながらキャリアの浅いメンバーが上位に入るが、その中でもBerryz工房の清水・徳永・夏焼が比較的高い増加率を示したことは評価できると言えるのではないだろうか。

次に、2011年加入組を属性(9期・10期・スマイレージ2期)ごとに平均してみた
いずれも高い増加率ではあるが、やはり10期が飛びぬけていることがうかがえる


(2-2) グループ別得票推移

次に、この得票推移をグループ別に集計してみてみよう。結果は表14の通り。
各年度の所属メンバーについては冒頭の表9で定義しているのでそちらを参照してほしい。

表14を見ると、
・2009年度はモーニング娘。Berryz工房の得票率がほぼ同じ
・2010年度はBerryz工房がトップ
・2011年度以降は再びモーニング娘。がシェアトップを握り、2012年度は他との差を広げる。
℃-uteの得票は年度によらずほぼ一定
スマイレージは2011年が山となっているようだ

という内容が読み取れる。

2007年下半期〜2010年のモーニング娘。はいわゆる「プラチナ期」と呼ばれた時期であるが、2009年〜2010年はその後期にあたり、少なからずヲタ離れが進んでいたであろうということがデータからも推測できる。

「2010年はメンバーが5人になっているから少ないんだ!」と言うヲタもいると思うので、2010年のデータに亀井・ジュンジュン・リンリンの3人の票を加味した結果を表14-2に提示する。これにより得票率は6%近く増加したがBerryz工房よりはまだ明らかに少ない。

当時の各グループを取り巻く環境を考慮すると、以下のことが推測されるのではないかと考える。

モーニング娘。のプラチナ期については以前とは異なる新規層開拓の効果もあったが、必ずしも好評を得られたとは言い難く、離れたヲタも多かった。一方、9期加入の2011年以降は順調に勢力を拡大した。

Berryz工房は2009年〜2010年頃には最大勢力であったと思われる。現在はトップを譲っているものの一定の影響力があるポジションにいる。

℃-uteは現在の5人編成になってからは得票率の変化はない。数字上の変化がないのに勢力が拡大しているように見えるのは、推しとするメンバーやグループが別に存在した上でこちらにも関心が向くようになったと考えるのが妥当か。

スマイレージは2011年をピークとし、2012年は得票を下げた。これはメンバーが入れ替わったことが直接影響したものと思われる。


(2-3) 個人別得票推移2(OGメンバー)
続いて、近年ハロプロから卒業・脱退した各メンバーの得票推移についてみてみよう。
詳細は表15の通り。

表15を見る限り、正規メンバーからの卒業・脱退の場合はその理由に関わらず、ほとんどの場合が卒業・脱退翌年に得票が半数以下となっていることに注目したい

例えば高橋愛の場合、得票が36票→14票と減少している。これは2012年度中盤でのスキャンダルが影響したのではないかということは容易に想像がつくが、表15の他者と比較した場合、仮にスキャンダルがなくても大幅に得票を落としていた可能性は十分に考えられるといえる。

また、2010年のエッグ再編により卒業となった主なメンバーについても推移を掲載してみたが、こちらはほぼ横ばいの推移となっているようだ


次回はMV部門の分析を掲載する予定です。